2026-07-16
第1回1930年ウルグアイ大会から2022年カタール大会まで、W杯の決勝は22試合。頂点に立ったのはわずか8カ国で、ブラジルの5回を筆頭に、ドイツ/西ドイツとイタリアが4回で続く。大陸対決で見ると最多は欧州vs南米の11度で、南米が8勝3敗と勝ち越し。延長戦にもつれたのは8度、PK戦決着は3度。7月19日(日本時間20日)のスペイン対アルゼンチンを前に、歴代の決勝を全て振り返る。
1930年から2022年までの23大会で行われた決勝は22試合(1950年大会には決勝戦が存在しない。理由は後述)。この22回の頂点に立ったのは、たった8カ国しかいない。ブラジルが5回、ドイツ/西ドイツとイタリアが4回、アルゼンチンが3回、ウルグアイとフランスが2回、イングランドとスペインが1回。決勝の舞台に立ったことがある国まで広げても13カ国にとどまる。W杯の頂点が、いかに狭い扉であるかが分かる。
| 優勝国 | 年 | スコア | 準優勝国 | 開催国 | 会場(都市) | 観客数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
アルゼンチン | 2022 | 3-3 (延長/PK 4-2) | フランス | カタール | ルサイル(ルサイル) | 88,966 |
フランス | 2018 | 4-2 | クロアチア | ロシア | ルジニキ(モスクワ) | 78,011 |
ドイツ | 2014 | 1-0 (延長) | アルゼンチン | ブラジル | マラカナン(リオデジャネイロ) | 74,738 |
スペイン | 2010 | 1-0 (延長) | オランダ | 南アフリカ | サッカーシティ(ヨハネスブルグ) | 84,490 |
イタリア | 2006 | 1-1 (延長/PK 5-3) | フランス | ドイツ | オリンピアシュタディオン(ベルリン) | 69,000 |
ブラジル | 2002 | 2-0 | ドイツ | 日韓 | 横浜国際総合競技場(横浜) | 69,029 |
フランス | 1998 | 3-0 | ブラジル | フランス | スタッド・ド・フランス(サンドニ) | 80,000 |
ブラジル | 1994 | 0-0 (延長/PK 3-2) | イタリア | アメリカ | ローズボウル(パサデナ) | 94,194 |
西ドイツ | 1990 | 1-0 | アルゼンチン | イタリア | スタディオ・オリンピコ(ローマ) | 73,603 |
アルゼンチン | 1986 | 3-2 | 西ドイツ | メキシコ | アステカ(メキシコシティ) | 114,600 |
イタリア | 1982 | 3-1 | 西ドイツ | スペイン | サンティアゴ・ベルナベウ(マドリード) | 90,000 |
アルゼンチン | 1978 | 3-1 (延長) | オランダ | アルゼンチン | モヌメンタル(ブエノスアイレス) | 71,483 |
西ドイツ | 1974 | 2-1 | オランダ | 西ドイツ | オリンピアシュタディオン(ミュンヘン) | 78,200 |
ブラジル | 1970 | 4-1 | イタリア | メキシコ | アステカ(メキシコシティ) | 107,412 |
イングランド | 1966 | 4-2 (延長) | 西ドイツ | イングランド | ウェンブリー(ロンドン) | 96,924 |
ブラジル | 1962 | 3-1 | チェコスロバキア | チリ | エスタディオ・ナシオナル(サンティアゴ) | 68,679 |
ブラジル | 1958 | 5-2 | スウェーデン | スウェーデン | ロースンダ(ソルナ) | 49,737 |
西ドイツ | 1954 | 3-2 | ハンガリー | スイス | ヴァンクドルフ(ベルン) | 62,500 |
ウルグアイ | 1950 | 2-1 ※ | ブラジル | ブラジル | マラカナン(リオデジャネイロ) | 173,850 |
イタリア | 1938 | 4-2 | ハンガリー | フランス | コロンブ競技場(コロンブ) | 45,000 |
イタリア | 1934 | 2-1 (延長) | チェコスロバキア | イタリア | スタディオ・ナツィオナーレPNF(ローマ) | 55,000 |
ウルグアイ | 1930 | 4-2 | アルゼンチン | ウルグアイ | エスタディオ・センテナリオ(モンテビデオ) | 68,346 |
※1950年大会は決勝トーナメントがなく、上位4カ国による決勝リーグの最終戦(ウルグアイ 2-1 ブラジル)が事実上の決勝とされる。観客数173,850人は今なおW杯史上最多。
優勝経験のない決勝進出国は5カ国。オランダは1974年・1978年・2010年と3度決勝に立ちながら、いずれも敗れて“無冠の帝王”と呼ばれ続けている。チェコスロバキア(1934・1962)とハンガリー(1938・1954)は2度、スウェーデン(1958)とクロアチア(2018)は1度、決勝の舞台で涙をのんだ。決勝進出回数の最多はドイツ/西ドイツの8回で、ブラジルの7回、イタリアとアルゼンチンの6回が続く。
22の決勝を大陸連盟の組み合わせで分けると、最も多いのが欧州vs南米の11度。次いで欧州同士の内戦が9度、南米同士が2度(1930年と1950年)で、この3パターンしか存在しない。アフリカ、アジア、北中米、オセアニアの国が決勝に立ったことは一度もなく、延べ44の決勝進出枠は欧州29・南米15で分け合われている。2026年のスペイン対アルゼンチンは、12度目の「欧州vs南米」となる。
| 対戦カード | 決勝数 | 結果 | 該当大会 |
|---|---|---|---|
| 欧州 vs 南米 | 11 | 南米 8勝 - 3勝 欧州 | 1958, 1962, 1970, 1978, 1986, 1990, 1994, 1998, 2002, 2014, 2022 |
| 欧州 vs 欧州 | 9 | 欧州の優勝が確定 | 1934, 1938, 1954, 1966, 1974, 1982, 2006, 2010, 2018 |
| 南米 vs 南米 | 2 | 南米の優勝が確定 | 1930, 1950 |
| その他の組み合わせ | 0 | ― | アフリカ・アジア・北中米・オセアニア勢の決勝進出はゼロ |
注目は欧州vs南米の11度の対戦成績で、南米が8勝3敗と大きく勝ち越している点だ。欧州勢がこのカードを制したのは1990年(西ドイツ 1-0 アルゼンチン)、1998年(フランス 3-0 ブラジル)、2014年(ドイツ 1-0 アルゼンチン)のわずか3度しかない。しかも1994年までは南米の6戦全勝。直近の顔合わせとなった2022年もアルゼンチンがフランスをPK戦で下しており、大陸間対決に限れば南米は依然として分が良い。
開催地との関係も鮮明だ。南北アメリカで開催された8大会のうち、優勝したのは7大会までが南米勢。この壁を破ったのは2014年ブラジル大会のドイツただ一つで、欧州勢がアメリカ大陸で戴冠した唯一の例となっている。逆に欧州開催の11大会で非欧州勢が優勝したのも、1958年スウェーデン大会のブラジルただ一度きり。W杯の優勝国は、長らく「自分の大陸で戦う者」が握ってきた。北中米開催の2026年決勝が、この歴史にどう書き加えられるかも見どころとなる。
22試合のうち8試合(1934・1966・1978・1994・2006・2010・2014・2022)が90分で決着せず延長戦に突入し、うち3試合(1994・2006・2022)はPK戦までもつれた。とりわけ21世紀以降は6大会中4大会が延長戦で、2010年は1-0、2014年も1-0と、点の入らない決勝が常態化している。かつて1958年にブラジルがスウェーデンを5-2で下し、1938年のイタリアが4-2で押し切ったような大味なスコアは、いまや過去のものだ。直近では2022年のアルゼンチン対フランスが3-3という例外的な打ち合いとなり、「史上最高の決勝」と評された。
そして2026年7月19日(日本時間20日)、ニュージャージーのメットライフ・スタジアムで第23回大会の決勝が行われる。スペインは2010年の初優勝以来16年ぶり、通算2度目の決勝。アルゼンチンは1930・1978・1986・1990・2014・2022年に続く通算7度目で、ドイツの8回に次ぐ数字となる。アルゼンチンが勝てば通算4度目の優勝でイタリア・ドイツに並び、さらに1934・38年のイタリア、1958・62年のブラジルに続く史上3チーム目の連覇となる。スペインが勝てば2度目の星。19歳ラミン・ヤマルと39歳メッシ、20歳差の10番が頂点で向かい合う。
決勝 スペイン vs アルゼンチン のフォーメーション・スタメン →※スコア・会場・観客数はFIFAおよびWikipedia「List of FIFA World Cup finals」を参照。優勝国・準優勝国はフォメラボのW杯歴代成績データベースと突合。