2026-09-22

2026年8月31日に代表引退を表明したリオネル・メッシが、10月6日(日本時間7日)にブエノスアイレスのエスタディオ・モヌメンタルで行われるベナン戦で、アルゼンチン代表としての最後の試合に臨む。21年間で積み上げた207試合125得点・W杯通算21得点の足跡を振り返りながら、カタールW杯優勝メンバーが集う「お別れの一戦」の予想フォーメーションを示す。
北中米W杯決勝でスペインに延長の末0-1で敗れてから約6週間後の8月31日、リオネル・メッシは自身のSNSでアルゼンチン代表からの引退を表明した。その3週間後、アルゼンチンサッカー協会(AFA)はメッシを「最後の1試合」のために招集。舞台に選ばれたのは、リーベル・プレートの本拠地であり、アルゼンチン代表のホームでもあるエスタディオ・モヌメンタルだ。対戦相手はアフリカのベナン。10月6日(日本時間7日早朝)、2005年8月のデビューから21年にわたって背負い続けた「10番」が、母国のファンの前で最後にピッチに立つ。
すべてを出し切った。もう与えられるものは残っていない。
リオネル・メッシ(8月31日 代表引退表明のSNS投稿より。日本メディア報道の翻訳)
アルゼンチンは9月30日にコルドバでボリビア、10月3日にモヌメンタルでブルキナファソと対戦し、10月6日のベナン戦で3連戦を締めくくる。スカローニ監督が発表した37人のうち、メッシ、ロドリゴ・デ・パウル、ジオバニ・ロ・チェルソ、ニコラス・オタメンディの4人はベナン戦のみに合流する。FIFAの処分でボリビア戦とブルキナファソ戦は収容人数の50%に制限されるが、ベナン戦は満員での開催が予定されている。メッシはこの試合のために、背番号「10」と名前を金色で入れた特別仕様のユニフォームを着用する。
キックオフ時刻は執筆時点(9月22日)で未発表。現地の夕方〜夜の開催なら、日本時間では翌日(10月7日)の早朝になる。
メッシのA代表デビューは2005年8月17日のハンガリー戦(ブダペスト)。途中出場からわずか数十秒で退場処分を受けるという苦い初陣だった。そこから21年、出場207試合・125得点はいずれもアルゼンチン代表の歴代最多で、ベナン戦が208試合目になる。長く「代表では勝てない」と言われ続け、2016年のコパ・アメリカ決勝で敗れた後には一度代表引退を表明したこともあった。だが復帰後の2021年コパ・アメリカで初の主要タイトルを手にすると、2022年カタールW杯、2024年コパ・アメリカと頂点に立ち続けた。
| 項目 | 記録 |
|---|---|
| A代表出場 | 207試合(歴代最多。ベナン戦で208試合目) |
| A代表得点 | 125得点(歴代最多) |
| デビュー | 2005年8月17日 ハンガリー戦(ブダペスト) |
| W杯 | 6大会出場(2006〜2026)・34試合21得点12アシスト |
| 主要タイトル | W杯(2022)、コパ・アメリカ(2021・2024)、フィナリッシマ(2022) |
| 世代別・五輪 | U-20W杯優勝(2005)、北京五輪金メダル(2008) |
18歳で臨んだ2006年ドイツ大会から、39歳で迎えた2026年北中米大会まで、メッシは6大会連続でW杯のピッチに立った。出場34試合は大会史上最多で、12アシストも歴代最多。21得点はミロスラフ・クローゼ(16得点)を上回ったが、北中米大会で通算22得点に伸ばしたキリアン・エムバペに次ぐ歴代2位となった。2014年ブラジル大会と2022年カタール大会では、いずれも大会最優秀選手(ゴールデンボール)に選ばれている。
| 大会 | 開催国 | アルゼンチンの成績 | 出場 | 得点 |
|---|---|---|---|---|
| 2006 | ドイツ | ベスト8 | 3 | 1 |
| 2010 | 南アフリカ | ベスト8 | 5 | 0 |
| 2014 | ブラジル | 準優勝 | 7 | 4 |
| 2018 | ロシア | ベスト16 | 4 | 1 |
| 2022 | カタール | 優勝 | 7 | 7 |
| 2026 | アメリカ・カナダ・メキシコ | 準優勝 | 8 | 8 |
| 通算 | 6大会 | 優勝1・準優勝2 | 34 | 21 |
最後のW杯でもメッシは主役だった。グループJ初戦のアルジェリア戦でW杯初のハットトリックを決めると、第2節オーストリア戦の2得点でクローゼのW杯最多得点記録を更新。グループステージ3試合で6得点を挙げた。決勝トーナメントでも、延長までもつれたラウンド32のカーボベルデ戦、0-2から逆転したラウンド16のエジプト戦でゴールを奪い、準決勝のイングランド戦では85分と90+2分に2アシストを記録して0-1からの逆転勝利を演出した。しかしメットライフ・スタジアムでの決勝は、延長後半にスペインに決勝点を許して0-1で敗戦。連覇にはあと一歩届かなかった。
エスタディオ・モヌメンタルは、ブエノスアイレス北部のベルグラーノ地区にあるリーベル・プレートの本拠地で、1938年5月26日に開場した。2020年代の大改修で陸上トラックを撤去してスタンドを増設し、収容人数は85,018人とアルゼンチン国内はもちろん南米でも最大のスタジアムになった。さらに2026年1月には、屋根の設置とスタンド増築で約10万1,000人へ拡張する計画も発表されている。
アルゼンチン代表にとっては特別な場所だ。1978年W杯の決勝はここで行われ、マリオ・ケンペスの2得点などでオランダを延長の末3-1で下し、アルゼンチンが初めて世界王者になった。コパ・アメリカやコパ・リベルタドーレスの決勝も数多く開催されてきた。メッシにとっても縁が深く、2023年3月のカタールW杯優勝記念試合(パナマ戦)ではフリーキックでキャリア通算800ゴール目を記録し、2025年9月のW杯予選ベネズエラ戦では2得点を挙げて予選最後のホームゲームを飾った。そのモヌメンタルで、今度は代表生活そのものに幕を下ろす。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | アルゼンチン・ブエノスアイレス(ベルグラーノ地区) |
| 所有 | CAリーベル・プレート(アルゼンチン代表のホームスタジアムとしても使用) |
| 開場 | 1938年5月26日 |
| 収容人数 | 85,018人(南米最大)。約10万1,000人への拡張計画あり |
| 主な開催 | 1978年W杯決勝(アルゼンチン 3-1 オランダ)、コパ・アメリカ決勝、コパ・リベルタドーレス決勝 |
結果よりも「メッシの花道」が優先される一戦であり、スカローニ監督はベナン戦のためだけに呼んだデ・パウル、ロ・チェルソ、オタメンディを含めて、カタールW杯を制した世代を並べると予想する。システムは北中米W杯の決勝でも使った4-4-2。GKはエミリアーノ・マルティネス。最終ラインは左からタグリアフィコ、38歳のオタメンディ、クリスティアン・ロメロ、右SBはモリーナとモンティエルが招集外のためフォイスが入る。中盤は左にロ・チェルソ、中央にマック・アリスターとエンソ・フェルナンデス、右に「メッシの用心棒」と呼ばれたデ・パウル。2トップはフリアン・アルバレスとメッシ。終盤にメッシが交代でベンチへ下がり、満員のモヌメンタルがスタンディングオベーションで見送る――そんな場面が見られるはずだ。

| Pos | 選手 | 所属 | ポイント |
|---|---|---|---|
| GK | エミリアーノ・マルティネス | チェルシー | カタールW杯のゴールデングローブ受賞者 |
| 左SB | ニコラス・タグリアフィコ | リヨン | カタールW杯優勝メンバー |
| 左CB | ニコラス・オタメンディ | リーベル・プレート | 38歳。ベナン戦のみ合流、本拠地での一戦 |
| 右CB | クリスティアン・ロメロ | アトレティコ・マドリード | 北中米W杯でも最終ラインの柱 |
| 右SB | フアン・フォイス | ビジャレアル | モリーナ、モンティエル不在の右SBに |
| 左MF | ジオバニ・ロ・チェルソ | レアル・ベティス | ベナン戦のみ合流 |
| 中央MF | アレクシス・マック・アリスター | リバプール | 中盤の心臓 |
| 中央MF | エンソ・フェルナンデス | マンチェスター・シティ | カタールW杯の最優秀若手選手 |
| 右MF | ロドリゴ・デ・パウル | インテル・マイアミ | メッシのクラブの同僚。ベナン戦のみ合流 |
| FW | フリアン・アルバレス | アトレティコ・マドリード | カタールW杯4得点のパートナー |
| FW | リオネル・メッシ | インテル・マイアミ | 代表208試合目、最後の「10番」 |
ベンチには、ラウタロ・マルティネス、ニコ・パス、フランコ・マスタントゥオーノ、ジャンルカ・プレスティアンニ、リーベル・プレートの19歳トビアス・アンドラダ、ボカ・ジュニアーズの19歳レオネル・フローレスら次世代の顔ぶれが控える。メッシが去ったあとの「10番」を誰が背負うのか――その答えを探す戦いも、この試合の後から始まる。
アルゼンチン vs ベナンの予想スタメンを自由に組み替える(フォメラボ)ベナンは西アフリカの国で、代表チームの愛称は「レ・ゲパール(チーター)」。FIFAランキングは93位(2026年7月時点)で、アルゼンチンとは今回が史上初の対戦になる。監督はナイジェリア代表などを率いたドイツ人のゲルノト・ロール。アフリカ・ネーションズカップの最高成績は2019年大会のベスト8。今回はベシクタシュのジュニオール・オライタン、ロリアンのアイエグン・トシンらを擁する25人が招集された。予想フォーメーションは4-2-3-1で、2列目のオライタンとトシンのスピードで、メッシの花道に一泡吹かせられるかが見どころだ。

カタールで世界一を掴み、39歳で臨んだ北中米W杯でも8得点を挙げて決勝まで導いた。数字だけでは語り尽くせない21年間の最後の90分は、南米最大のスタジアムで、満員のサポーターとともに迎える。勝敗を超えた一戦になるのは間違いないが、ピッチに立つ以上、メッシはきっと最後までゴールを狙い続けるはずだ。
※予想フォーメーションはフォメラボ独自のもの。成績・所属は2026年9月22日時点。メッシの代表通算成績とW杯成績は国内外のメディア報道に基づく(集計は出典によって若干異なる場合がある)。キックオフ時刻は未発表。
アルゼンチン代表のフォーメーションを自由に作る(フォメラボ)