2026-11-03

AFCは11月3日、サウジアラビアで2027年1月に開く予定だったアジアカップを、2027年12月23日〜2028年1月21日に延期すると発表した。日本代表の監督交代、空いた2027年1月、ロス五輪予選を兼ねるU-23アジアカップとの重複、そしてまだ発表されていないW杯2030アジア予選の日程。決まったことと、前回の延期(アジア杯2023)を手がかりにした予想を分けて整理する。
アジアサッカー連盟(AFC)は11月3日、AFCアジアカップ サウジアラビア2027の日程変更を発表した。当初の2027年1月7日〜2月5日から、2027年12月23日〜2028年1月21日へ。ほぼ1年の延期で、開催国はサウジアラビアのまま変わらない。理由は「地域情勢の悪化に伴う物流上の大きな問題と渡航の混乱」。10月にはイエメンの武装組織フーシ派の攻撃でリヤドの国際空港に死傷者が出て、日本政府は開催都市リヤドに渡航中止勧告を出していた。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 旧日程 | 2027年1月7日〜2月5日(24カ国・サウジアラビア) |
| 新日程 | 2027年12月23日〜2028年1月21日(開催国は変わらず) |
| 理由 | 地域情勢の悪化による物流の問題と渡航の混乱(AFC) |
| 正式決定 | まだ。新日程はFIFAに提出され、承認を経て正式決定となる |
| 未発表 | 試合日程・会場、すでに決まっている組み合わせ(日本はグループF=カタール・タイ・インドネシア)をそのまま使うか |
延期の気配はあった。AFCのシェイク・サルマン会長は10月14日に「2028年への延期も選択肢」と口にし、日本サッカー協会の宮本恒靖会長も10月23日に開催は「現時点で簡単ではない」と話していた。一方で大会組織委員会は10月26日に当初日程どおりの試合時刻を発表したばかりで、決定は急だった。
| 時期 | 延期前 | 延期後 |
|---|---|---|
| 2026年11月 | シンガポール遠征(11/14 ブラジル・11/17 パラグアイ) | 変わらず。報道では森保監督のラスト采配になる可能性 |
| 2026年12月30日 | パナソニックスタジアム吹田でアジア杯の壮行試合 | アジア杯に向けた試合としての意味がなくなり、開催は不透明 |
| 2027年1〜2月 | アジアカップ(サウジアラビア) | 空く。Jリーグ(秋春制)のウインターブレークと重なる時期 |
| 2027年3月〜 | 大岩剛監督が就任(アジア杯後) | 報道では予定どおり3月から大岩監督が兼任で指揮する見込み |
| 2027年12月〜28年1月 | (なし) | アジアカップ |
森保一監督はW杯2026の後に契約を延ばし、アジアカップを最後に退任する予定だった。大会が1年先に延びたことで、アジアカップを戦う監督は森保監督から大岩監督に変わる公算が大きい。JFAは11月3日時点で正式な発表をしていない。
新日程で新たに生まれた問題が、2028年1月に日本で開かれるAFC U-23アジアカップとの重複だ。この大会はロス五輪のアジア予選を兼ね、上位2チームが五輪の出場権を得る。報道では日程は2028年1月4日〜22日。アジアカップの決勝が1月21日なので、期間はほぼ丸ごと重なる。
| アジアカップ | U-23アジアカップ | |
|---|---|---|
| 期間 | 2027/12/23〜2028/1/21 | 2028/1/4〜1/22(報道) |
| 開催国 | サウジアラビア | 日本 |
| 懸かるもの | アジア王者 | ロス五輪の出場権(上位2チーム) |
| 日本の監督 | 大岩剛監督(予定) | 大岩剛監督(U-21から兼任中) |
重なるのは日程だけではない。大岩監督はロス五輪世代(2005年1月1日以降生まれ)を率いたままA代表を兼任する予定で、同じ監督が同じ時期に2つの大会を戦うことになる。選手も取り合いになる。2026年秋のA代表には、塩貝健人(2005年生)、後藤啓介(2005年生)、齋藤俊輔(2005年生)、佐藤龍之介(2006年生)とロス五輪世代が4人呼ばれた。若い世代がA代表の主力に育つほど、どちらかの大会を手薄にせざるをえない。AFCの延期の発表は、この重複に触れていない。
W杯2030(スペイン・ポルトガル・モロッコ)のアジア予選は、方式も日程もまだ発表されていない(11月3日時点)。ただ手がかりはある。前回のW杯2026予選も、途中にアジアカップをはさんで行われた。中国が返上したアジア杯2023は、カタールで2024年1〜2月に開かれ、その前後に2次予選が組まれていた。
| 段階 | 前回(W杯2026) | 今回(W杯2030)の予想 |
|---|---|---|
| 1次予選 | 2023年10月(ランキング下位20カ国) | 2027年3月・6月 |
| 2次予選(日本はここから) | 2023年11月〜2024年6月 | 2027年9月〜2028年6月 |
| アジアカップ | 2024年1〜2月(カタール)=2次予選の途中 | 2027年12月〜28年1月(サウジ)=2次予選の途中 |
| 最終予選(3次) | 2024年9月〜2025年6月 | 2028年9月〜2029年6月 |
| 4次・5次予選 | 2025年10月・11月 | 2029年10月・11月 |
| 本大会 | 2026年6〜7月 | 2030年6〜7月 |
延期前の日程なら、アジアカップが2027年2月に終わってから予選を始められた。延期後は、アジアカップが予選期間のまんなかに入る。前回とまったく同じ形で、2次予選を2027年の秋に始めて、アジアカップをはさんで2028年6月まで戦うのが自然だろう。最終予選の10試合は2028年9月〜2029年6月の代表ウィークでちょうど埋まるので、2次予選を後ろにずらす余地は小さい。
もう1つの変数がAFCネーションズリーグだ。10月に報じられた草案では、2030年に正式に始め、その前の2028〜29年に試行大会を行う。試行大会では、最初の階層分けにFIFAランキングではなく「共同予選」の成績を使うとされ、W杯2030予選の2次予選がその役を兼ねる可能性がある。草案の段階で、AFCは加盟協会への説明を進めている。
日本が出場
大岩ジャパン始動親善試合か予選
W杯2030 アジア2次予選日本はここから
アジアカップ(サウジアラビア)12/23開幕
アジアカップ(サウジアラビア)〜1/21決勝
U-23アジアカップ(日本開催)1/4〜22(報道)。ロス五輪予選
W杯2030 アジア2次予選残り試合
ロス五輪7/10〜29
W杯2030 アジア最終予選
W杯2030 アジア最終予選6月までに出場決定斜線はフォメラボの予想か、時期が決まっていないもの。代表ウィークはFIFAの国際Aマッチカレンダー(2030年まで年4回・最大10試合、9〜10月は1回にまとめて最大4試合)による。
| 国 | 影響 |
|---|---|
| 韓国 | 現地紙は「前代未聞の事態」と報じた。ロベルト・モレノ暫定監督は契約満了が近い。ソン・フンミンら1992年生まれの世代には「最後の主要大会になりうる舞台が延びた」との声も |
| サウジアラビア | 開催国のまま。W杯2034の開催国として、大会運営の実績づくりの場でもある |
| 欧州組の多い国 | 12月下旬〜1月はプレミアリーグの年末年始の過密日程の時期。旧日程(1〜2月)と同じくクラブとの調整が必要になる |
※2026年11月3日時点。新日程はFIFAの承認前。U-23アジアカップ2028の日程は報道ベースで、JFAは日程・会場を未発表。W杯2030アジア予選の段階別の時期はフォメラボの予想。出典: AFC、JFA、スポニチアネックス、フットボールゾーン、マイナビニュース、ゲキサカ、サカノワ、Goal、Wikipedia。