【バレンシア 2026-27】予想スタメン・フォーメーション 〜佐藤龍之介が左ウイングで開幕スタメン濃厚、メスタージャ最後のシーズン〜

2026-08-03

【バレンシア 2026-27】予想スタメン・フォーメーション 〜佐藤龍之介が左ウイングで開幕スタメン濃厚、メスタージャ最後のシーズン〜

6度のリーグ制覇を誇るスペインの古豪バレンシアCFに、クラブ史上初の日本人トップチーム選手が誕生した。FC東京から完全移籍した19歳MF佐藤龍之介は、プレシーズンで3試合連続先発。スペイン紙『AS』が「開幕戦で起用される可能性のある布陣」と報じた最終テストマッチでも、左ウイングでピッチに立った。カルロス・コルベラン監督が志すサッカー、昨季「前半戦18位・後半戦3位」という極端な二面性、この夏の補強、そして佐藤のポジション争い――103年の歴史を刻んだメスタージャで戦う最後のフルシーズンを、予想スタメンとともに読み解く。

2026年7月7日、FC東京のMF佐藤龍之介がバレンシアCFへ完全移籍した。移籍金は推定400万ユーロ、契約は2031年夏まで。100年を超えるクラブの歴史で、男子トップチームに日本人選手が加入するのはこれが初めてだ。そして加入から1か月、19歳は早くも「開幕スタメン候補」として現地紙に名前を挙げられている。ここでは佐藤が飛び込んだバレンシアというクラブの現在地を、チームの成り立ち・近年の成績・監督・補強という4つの角度から整理したうえで、2026-27シーズンの予想スタメンを提示する。

バレンシアCFとは — 6度のリーグ王者、そして「メスタージャ最後のシーズン」

1919年創設。スペイン東部の港湾都市バレンシアを本拠とする、レアル・マドリード/バルセロナ/アトレティコに次ぐ規模の伝統クラブだ。ラ・リーガ優勝6回、コパ・デル・レイ8回。2000年と2001年にはUEFAチャンピオンズリーグ決勝に2年連続で進出し(いずれも準優勝)、2001-02と2003-04には両巨頭を抑えてリーグを制覇。2003-04にはUEFAカップとの二冠を達成した、まぎれもない欧州のビッグクラブである。しかし2014年にシンガポールの実業家ピーター・リムが経営権を握って以降は成績と財政の両面で低迷が続き、現在はリーグ優勝から20年以上が経過。ここ12シーズンのうち9シーズンで欧州カップ戦を逃している。

そして2026-27には、もうひとつ特別な意味がある。1923年に開場した聖地メスタージャで戦う最後のフルシーズンなのだ。2007年に着工しながら金融危機で16年間放置されていた新スタジアム「ヌエボ・メスタージャ」(収容70,044人)の工事が2025年1月に再開し、完成は2027年夏の予定。リーグ戦としてのメスタージャ最終戦は2027年5月16日、エルチェ戦になる。長い停滞に区切りをつけ、新スタジアムへ良い形で移りたい――クラブにとってこの1年は、そういうシーズンだ。

バレンシアCF クラブ概要

項目内容
創設1919年
本拠地エスタディオ・デ・メスタージャ(1923年開場/約48,600人)
主なタイトルラ・リーガ6回(最後は2003-04)、コパ・デル・レイ8回(最後は2018-19)、UEFAカップ1回(2003-04)
CL決勝進出2回(1999-2000、2000-01/いずれも準優勝)
オーナーピーター・リム(2014年〜)
新スタジアムヌエボ・メスタージャ(70,044人)/2027年夏 完成予定
監督カルロス・コルベラン(2024年12月〜)

近年の成績 — 「9位・12位・9位」、欧州の一歩手前で止まり続けている

直近6シーズンの成績を並べると、バレンシアの現在地がはっきり見える。2022-23には勝ち点42の16位まで沈み、最終節までもつれる残留争いを経験。その後は9位・12位・9位と、降格圏には落ちないが欧州にも届かない“中位の沼”にはまり込んでいる。昨季2025-26も勝ち点49の9位で、7位ヘタフェとはわずか勝ち点2差。あと1勝が届かなかった。

バレンシア 直近6シーズンのラ・リーガ成績

シーズン順位勝点勝分敗得点失点
2020-2113位4310-13-155053
2021-229位4811-15-124853
2022-2316位4211-9-184245
2023-249位4913-10-154045
2024-2512位4611-13-144454
2025-269位4913-10-154655

もっとも、視野を1世紀に広げればバレンシアはれっきとした強豪である。ラ・リーガ創設年の1929年から数えて全95シーズン中91シーズンに出場し、優勝6回・準優勝6回・3位10回。優勝回数はレアル・マドリード(36)、バルセロナ(29)、アトレティコ(11)、ビルバオ(8)に次ぐ歴代5位で、1941-42、1943-44、1946-47と1940年代に3度の戴冠を果たした黄金期を持つ。下のリンクから、1929年から2025-26までの全シーズンの順位をクラブ別マトリクスで確認できる。

ラ・リーガ 歴代順位表(1929〜2025-26/全95季・全61クラブ)を見る

コルベラン監督 — ビエルサの薫陶を受けた“地元出身の43歳”

指揮を執るのはカルロス・コルベラン。1983年生まれの43歳で、生まれはバレンシア県チェステ、現役時代はバレンシアBでプレーしたGKという、地元中の地元の人間だ。23歳で選手を引退して指導者へ転身し、キプロスの2クラブを経て2017年にリーズ・ユナイテッドへ。ここでマルセロ・ビエルサのもとでU-23監督兼トップチームコーチを務めたことが、彼のキャリアを決定づけた。ビエルサ本人が「彼の意見を自分の意見より重んじた」と語ったほどの信頼を得ている。その後ハダースフィールド(2021-22にチャンピオンシップ3位・昇格プレーオフ決勝進出)、オリンピアコス、ウェスト・ブロムウィッチを率い、2024年12月にバラハ監督の後任としてバレンシアに招かれた。

志向するサッカーは、ビエルサ譲りの「前から奪う」守備と、マルセリーノ的な4-4-2ベースの堅牢なブロックのハイブリッドだ。スペースではなく人を捕まえに行く強度の高いプレッシング、奪ってからの縦に速い攻撃、そしてセットプレーの整備。ボールを長く保持して崩し切るタイプではなく、相手陣内での回収から手数をかけずに仕留める現実的な設計で、選手には走力と球際の強さを強く要求する。

その色が最もよく出たのが昨季の“極端な二面性”だった。前半19試合はわずか3勝(勝ち点17/18得点31失点)で、単独で並べれば18位相当という降格圏の数字。ところが第20節以降の19試合は10勝2分7敗の勝ち点32を叩き出し、これはバルセロナ(45)、レアル・マドリード(41)に次ぐ後半戦3位の数字だった。シーズンをまたいだ立ち上がりの遅さと、ハマったときの強度――コルベランのバレンシアはこの両方を持っている。だからこそ今季の焦点は「いかに早くギアを上げるか」に絞られる。批判の声を受けながらも夏に契約を更新したのは、後半戦のあの姿を1年通して見せられるという判断だろう。

昨季2025-26 前半戦と後半戦の落差

区間成績勝点得失点同区間の順位
第1〜19節3勝8分8敗1718-3118位相当
第20〜38節10勝2分7敗3228-243位相当

今夏の補強 — 派手さはゼロ、フリー中心の“実利型”

財政的な制約が続くバレンシアの補強は、今夏もフリー(契約満了)の選手が中心となった。唯一の“買った補強”が佐藤龍之介である。センターバックには、ポルトガル1部ファマリカンで昨季33試合6得点を挙げた193cmの左利きCBジャスティン・デ・ハースを2030年までの契約で獲得。AZとPSVで育ち、クロアチアとポルトガルを経てきた26歳は、空中戦とセットプレーの得点力という明確な武器を持つ。中盤には、2026年1月に半年契約でウェストハムから加入していたW杯優勝メンバーのギド・ロドリゲス(32)をフリーで再契約。さらにアル・アハリからマリ代表MFアリウ・ディエンを加え、守護神ディミトリエフスキとも契約を延長した。

2026-27 主な加入(IN)

選手Pos前所属区分
佐藤 龍之介MFFC東京(日本)完全(推定400万ユーロ)
ジャスティン・デ・ハースDFファマリカン(ポルトガル)フリー
ギド・ロドリゲスMF(1月に西ハムから加入)フリーで再契約
アリウ・ディエンMFアル・アハリ(エジプト)フリー

2026-27 主な退団(OUT)

選手Pos移籍先区分
ティエリー・コレイアDFヴェネツィア(イタリア)契約満了
エライ・ジョメルトDF未定契約満了
レンソ・サラビアDF未定契約満了
バティスト・サンタマリアMF未定契約満了
ユレン・アギレサバラGKアスレティック・ビルバオレンタルバック
ウナイ・ヌニェスDFセルタレンタルバック
ルーカス・ベルトランMFフィオレンティーナレンタルバック
ラルジー・ラマザニFWリーズ(イングランド)レンタルバック

課題として残ったのが右サイドバックだ。長く定位置を守ったコレイアがヴェネツィアへ去り、残るのは33歳のフルキエのみ。メニエら経験者の名前が取り沙汰されたものの、8月に入っても補強は実現していない。その空席に滑り込んだのが、下部組織バレンシア・メスタージャの右SBミゲル・モンフェレール(20)だった。加えて最前線では、大黒柱のウマル・サディクがプレシーズンのカステリョン戦でハムストリングを負傷(微細断裂)。開幕には間に合う見込みだが、コンディションは万全とは言えない。

2026-27 予想スタメン — 4-3-3、左ウイングに佐藤龍之介

予想の根拠は明快だ。プレシーズン最終戦となった8月1日のストーク・シティ戦(イングランド2部)で、コルベランが送り出した11人。スペイン紙『AS』はこれを「開幕戦で起用される可能性のある、非常に見慣れた先発メンバー」と評した。現地表記は“ダブルボランチ+トップ下ハビ・ゲラの4-2-3-1”だが、実際には佐藤(左)・ダンジュマ(中央)・リオハ(右)が並ぶ3トップの形。ここではフォメラボの布陣として4-3-3で表現する。

バレンシア 2026-27 予想スタメン・フォーメーション(4-3-3) ディミトリエフスキ/ホセ・ガジャ・デ・ハース・セサル・タレガ・モンフェレール/ハビ・ゲラ・ギド・ロドリゲス・ウグリニッチ/佐藤龍之介・ダンジュマ・ルイス・リオハ
バレンシア 予想スタメン:4-3-3。左ウイングに背番号39の佐藤龍之介。デ・ハースとモンフェレールは背番号未発表のため空欄。

バレンシア 2026-27 予想スタメン(4-3-3)

Pos背番号選手ポイント
GK1ディミトリエフスキ北マケドニア代表。今夏に契約延長
左SB14ホセ・ガジャ生え抜きの主将。31歳
左CBデ・ハース新加入。193cmの左利き、セットプレーの的
右CB5セサル・タレガ24歳。昨季の躍進を支えた下部組織出身
右SBモンフェレール20歳。補強できなかった右SBに抜擢
左IH8ハビ・ゲラ23歳の中盤の核。実質トップ下の役割
アンカー2ギド・ロドリゲスW杯優勝経験のあるアルゼンチン代表
右IH23フィリプ・ウグリニッチスイス代表。運動量で中盤を支える
左WG39佐藤 龍之介クラブ史上初の日本人。3試合連続先発中
CF7ダンジュマ本職は左WG。サディク負傷で中央起用
右WG11ルイス・リオハ昨季6アシスト。左右こなすベテラン

※デ・ハースとモンフェレールの背番号は本稿執筆時点で未発表(バレンシアの2026-27シーズンの背番号一覧は例年8月下旬〜9月に公表される)。

バレンシアの予想スタメンを自由に組み替える(フォメラボ)

佐藤龍之介とは — 16歳でプロデビュー、19歳で欧州へ

2006年10月16日生まれ、東京都西東京市出身の19歳。FC東京U-15むさしからU-18へ進み、2023年3月のルヴァンカップ・C大阪戦で16歳4か月20日でのプロデビューを果たした。これはFC東京の最年少先発記録であり、同年8月にはトップチーム昇格。16歳でのプロ契約は久保建英以来という、育成年代からの逸材だった。

転機は2025年、ファジアーノ岡山への育成型期限付き移籍だ。J1・28試合6得点を挙げてブレイクし、シーズン終了後にはJリーグ優秀選手賞とベストヤングプレーヤー賞をダブル受賞。この年に背負っていた背番号が「39」で、バレンシアでも同じ番号を選んだ理由になっている。代表では2025年6月10日のインドネシア戦で18歳237日でA代表デビュー。史上4番目の若さでの初出場だった。

ただし、順風満帆だったわけではない。2026年北中米W杯の日本代表26人からは落選。「すごく悔しかった」と語った19歳は、その悔しさを抱えたまま2026年のU-23アジアカップで4得点2アシストを記録し、得点王とMVPを同時受賞してみせた。そして7月、欧州行きを決断する。左サイドから中央へ切れ込んで右足で仕掛けるドリブルと、狭い局面での落ち着き。171cmと決して大きくはないが、密集を割る技術と得点感覚が持ち味のアタッカーだ。

佐藤 龍之介 プロフィール

項目内容
生年月日2006年10月16日(19歳)
出身東京都西東京市
身長/利き足171cm/右利き
ポジションMF(左ウイング/トップ下)
経歴FC東京U-15むさし → FC東京U-18 → FC東京(2023〜) → ファジアーノ岡山(2025・期限付き) → FC東京 → バレンシア(2026.7)
主な実績2025年 Jリーグ優秀選手賞/ベストヤングプレーヤー賞、2026年 U-23アジアカップ 得点王&MVP
日本代表2025年6月10日 インドネシア戦でデビュー(18歳237日=史上4番目の若さ)
背番号39(岡山でブレイクした2025年と同じ番号)

佐藤龍之介のポジション争い — 左ウイングの序列を1か月でひっくり返した

佐藤のプレシーズンは、そのまま序列の逆転劇だった。7月中旬のエルデンセ戦でデビューし、強烈なシュートでいきなり初得点。続くカステリョン戦、ダービー・カウンティ戦、そしてストーク・シティ戦と3試合連続で先発に名を連ね、いずれも左ウイングで起用された。左サイドから中へ切れ込んで仕掛ける形はFC東京・岡山時代と変わらず、コルベランからは「得点とチャンスメイク」を求められている。加入から1か月足らずで、外国人枠でも序列でもなく“計算に入っている選手”になった。

とはいえ、左ウイングは元来このチームで最も競争の激しいポジションだ。カンテラ出身のディエゴ・ロペスは昨季も出場機会を得て2027年まで契約を延長した本職の左WG。ダンジュマは本来が左サイドのアタッカーで、サディクが復調すれば中央から左へ戻ってくる可能性が高い。ラバ、リオハ、そしてレンタルから戻ったセルジ・カノスも同じエリアを主戦場とする。つまり佐藤の“開幕スタメン濃厚”は、確定ではなく「1か月の積み上げで手にした暫定的な優位」である。

左ウイングのポジション争い

選手年齢特徴
佐藤 龍之介19プレシーズン3試合連続先発。左から中へ切れ込む形が持ち味
ディエゴ・ロペス24カンテラ出身の本職左WG。2027年まで契約延長済み
ダンジュマ29本職は左WG。サディク復帰なら左に戻る可能性
ダニ・ラバ30左右をこなすアタッカー
セルジ・カノス29レンタルから復帰。左サイドが主戦場

逆に言えば、この5人を押しのけて開幕に間に合わせられれば、19歳のシーズンは一気に開ける。バレンシアの日本人選手がラ・リーガのピッチに立つのは、クラブ史上初めてのことだ。

リーグ初戦は8月22日、ホームのセルタ戦

バレンシアの2026-27シーズンは、現地8月22日(日本時間23日未明)のホーム・セルタ戦で幕を開ける。日程上の第1節にあたるベティス戦は後日開催に組み替えられており、メスタージャに集まるファンにとってはこのセルタ戦が“開幕戦”だ。前半戦の出遅れがそのまま順位に直結してきたクラブにとって、8月・9月の入りは例年以上に重い意味を持つ。そのスタートラインに、19歳の日本人が左ウイングとして立とうとしている。

※本コラムの布陣・スタメンは編集部による予想です。移籍情報・背番号には報道ベース/未発表の内容を含む場合があります。順位・勝ち点・区間成績はフォメラボのラ・リーガ順位表データ(2025-26シーズン全38節)に基づく集計値です。

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