2026-09-14

W杯はノルウェーに敗れて36年ぶりのベスト16敗退。続投が決まったカルロ・アンチェロッティは、W杯メンバー26人のうち17人を外し、初招集8人を含む平均年齢24歳前後のチームで「新サイクル」に踏み出した。9月25日・29日のオーストラリア2連戦と10月3日のインド戦に臨む26人をもとに、豪州との初戦を主力中心のAチーム、中3日で迎える2戦目を11人総入れ替えのBチームで予想する。
ブラジルサッカー連盟(CBF)は9月9日、W杯後初となるブラジル代表26人を発表した。指揮を執るのは続投が決まったカルロ・アンチェロッティ。9月25日・29日にオーストラリアと敵地で2連戦、10月3日にはインドのコルカタで史上初めてインドと対戦する。W杯組の多くを外し、若手と初招集組を大量に呼んだ今回のメンバーは、2028年コパ・アメリカ、そして2030年W杯へ向けた「新サイクル」の出発点だ。同じ相手と中3日で2試合を戦う日程は、主力と新戦力を同じ物差しで比べるにはうってつけだ。本稿では、主力で臨むAチーム(9/25 オーストラリア戦・初戦)と、11人をそっくり入れ替える可能性が高いBチーム(9/29 オーストラリア戦・2戦目)の2パターンで予想フォーメーションを示す。
北中米W杯のブラジルは、グループCでモロッコと1-1で引き分けた後、ハイチに3-0、スコットランドに3-0と連勝し、勝ち点7の首位で突破した。ラウンド32では佐野海舟に先制を許しながら日本を2-1で逆転。しかしラウンド16でノルウェーのハーランドに2ゴールを浴び、1-2で敗退した。終盤に途中出場のネイマールがPKを決めたものの反撃は届かず、ベスト16での敗退は1990年大会以来36年ぶり。ボール保持の少なさや後半の交代策には、国内メディアから厳しい批判が集まった。
| ラウンド | 対戦相手 | 結果 | スコア |
|---|---|---|---|
| GL第1節 | モロッコ | △ | 1-1 |
| GL第2節 | ハイチ | ○ | 3-0 |
| GL第3節 | スコットランド | ○ | 3-0 |
| ラウンド32 | 日本 | ○ | 2-1 |
| ラウンド16 | ノルウェー | ● | 1-2 |
敗退直後、ロマーリオが解任を要求するなど逆風は強かったが、CBFはアンチェロッティとの2030年W杯までの契約を維持すると明言した。本人もノルウェー戦後に「この敗戦は終わりではなく、新しいサイクルの始まり」と語り、近い目標に2028年コパ・アメリカ、長期目標に2030年W杯を掲げている。
9月9日の会見でアンチェロッティは、代表のために新しい世代の選手を準備する必要があると強調し、若手に重心を移す考えを示した。W杯メンバー26人のうち今回も名を連ねたのは、マルキーニョス、ガブリエル・マガリャンイス、ブルーノ・ギマランイス、ヴィニシウス、ハフィーニャらわずか9人。一方で「扉は誰にも閉ざしていない」とも語り、アリソンについても次のコパ・アメリカの時点でブラジル最高のGKであれば起用すると含みを残した。報道では平均年齢がW杯時の約29歳から約24歳へと大きく下がっている。
私たちは、代表のために新しい世代の選手たちを準備しなければならない。
カルロ・アンチェロッティ監督(9月9日 メンバー発表会見。ブラジルメディア報道より翻訳)
| Pos | 選手(所属) |
|---|---|
| GK | ウーゴ・ソウザ(コリンチャンス)、ペドロ・モリスコ(コリチーバ)※、オタヴィオ(クルゼイロ)※ |
| DF | マルキーニョス(PSG)、ガブリエル・マガリャンイス(アーセナル)、ドウグラス・サントス(ゼニト)、ウェズレイ(ローマ)、ヴィトール・ヘイス(マンチェスター・シティ)、ジャイール(ノッティンガム・フォレスト)※、マウロ・ジュニオール(PSV)※、マテウジーニョ(コリンチャンス)※、アルトゥール・ディアス(アトレチコ・パラナエンセ)※ |
| MF | ブルーノ・ギマランイス(アーセナル)、アンドレイ・サントス(マンチェスター・ユナイテッド)、ドウグラス・ルイス(ユヴェントス)、ダニーロ・サントス(ボタフォゴ)、ブレーノ・ビドン(コリンチャンス)※、ガブリエル・ボンテンポ(サントス)※ |
| FW | ヴィニシウス(レアル・マドリード)、ハフィーニャ(バルセロナ)、エンドリッキ(レアル・マドリード)、エステヴァン(チェルシー)、ジョアン・ペドロ(チェルシー)、ハイアン(ボーンマス)、ペドロ(フラメンゴ)、サムエル・リノ(フラメンゴ) |
※は初招集。外れた17人には、アリソン、エデルソン、カゼミーロ、ネイマール、ダニーロ、パケタ、マテウス・クーニャらW杯の主力が並ぶ。ロドリゴとミリトンは負傷で選外。GK陣は若手に経験を積ませるため、アリソンら3人を総入れ替えした。夏の移籍市場ではブルーノ・ギマランイスがニューカッスルからアーセナルへ、アンドレイ・サントスがチェルシーからマンチェスター・ユナイテッドへ移り、エンドリッキはリヨンへのレンタルを終えてレアル・マドリードに戻っている。
オーストラリアはトニー・ポポヴィッチ監督のもと、W杯でグループDを2位で突破し、ラウンド32でエジプトにPK戦で敗れた。今回のブラジル戦には新顔を呼ぶ方針を示している。対戦成績はブラジルの7勝1分1敗(Wikipedia集計の9試合)と大きく勝ち越しており、直近は2017年6月にメルボルンで4-0と快勝。オーストラリアの唯一の勝利は2001年コンフェデレーションズカップ3位決定戦の1-0だ。
インドはハリド・ジャミル監督が率いるFIFAランキング138位のチームで、5位のブラジルとは今回が史上初の対戦になる。インド国内では「史上最大の一戦」と注目を集め、ジャミル監督は「こうした注目の試合はインドサッカーのためになる」と前向きに語っている。
アンチェロッティはW杯で4-3-3と4-2-3-1を使い分けたが、カゼミーロが外れた今回はブルーノ・ギマランイスとアンドレイ・サントスのダブルボランチによる4-2-3-1を予想する。GKはW杯組が全員外れたため、代表経験のあるウーゴ・ソウザが最有力。最終ラインは主将マルキーニョスとガブリエル・マガリャンイスのCBコンビに、左はベテランのドウグラス・サントス、右はローマのウェズレイ。2列目は左にヴィニシウス、中央に今季ラ・リーガで得点を量産するハフィーニャ、右には19歳のエステヴァンを置き、1トップはW杯組ではなかったジョアン・ペドロ。W杯の軸と次世代の主役候補を同じピッチに立たせ、新サイクルの骨格を試す布陣だ。

| Pos | 選手 | 所属 | ポイント |
|---|---|---|---|
| GK | ウーゴ・ソウザ | コリンチャンス | GK陣で唯一の代表経験者。199cm |
| 左SB | ドウグラス・サントス | ゼニト | W杯組。32歳の経験で若いDF陣を支える |
| 左CB | ガブリエル・マガリャンイス | アーセナル | 左利きのCB。セットプレーの得点源 |
| 右CB | マルキーニョス | PSG | 主将。移行期のリーダー |
| 右SB | ウェズレイ | ローマ | 23歳。攻撃的な右SB |
| ボランチ | ブルーノ・ギマランイス | アーセナル | 今夏アーセナルへ。中盤の新たな軸 |
| ボランチ | アンドレイ・サントス | マンチェスター・ユナイテッド | 22歳。カゼミーロの後継候補 |
| 左SH | ヴィニシウス | レアル・マドリード | W杯4ゴール。攻撃の絶対的エース |
| トップ下 | ハフィーニャ | バルセロナ | 今季ラ・リーガで得点を量産 |
| 右SH | エステヴァン | チェルシー | 19歳。次世代の主役候補 |
| CF | ジョアン・ペドロ | チェルシー | W杯落選から再招集。1トップの第一候補 |
若手の見極めを最優先に掲げるアンチェロッティにとって、同じオーストラリアを相手に中3日で戦う2戦目は、初戦の主力と新戦力を直接比べられる絶好の機会だ。そこで2戦目は、Aチームから11人をそっくり入れ替えたBチームになる可能性が高いと予想する。GKは20歳のオタヴィオ。最終ラインは左SBにPSVのマウロ・ジュニオール、CBに19歳の左利きアルトゥール・ディアスと198cmのジャイール、右SBにコリンチャンスのマテウジーニョと、4人全員が初招集。ボランチは21歳のブレーノ・ビドンと経験豊富なドウグラス・ルイスを組ませ、2列目は左にサムエル・リノ、中央に21歳のガブリエル・ボンテンポ、右に20歳のハイアン。1トップには、今季ブラジル全国選手権で15ゴールを挙げ得点ランキング上位を争うペドロを置く。W杯ベスト32の相手に、初招集組が代表のリズムと強度にどこまで適応できるか。ここでの出来が、今後の序列を大きく左右するはずだ。

| Pos | 選手 | 所属 | ポイント |
|---|---|---|---|
| GK | オタヴィオ | クルゼイロ | 初招集の20歳。クルゼイロの正GK |
| 左SB | マウロ・ジュニオール | PSV | 初招集。左利きのSB |
| 左CB | アルトゥール・ディアス | アトレチコ・パラナエンセ | 初招集の19歳。左利きのCB |
| 右CB | ジャイール | ノッティンガム・フォレスト | 初招集。198cmの大型CB |
| 右SB | マテウジーニョ | コリンチャンス | 初招集。国内屈指の右SB |
| ボランチ | ブレーノ・ビドン | コリンチャンス | 初招集の21歳。左利きの配球役 |
| ボランチ | ドウグラス・ルイス | ユヴェントス | 経験で若い中盤を落ち着かせる |
| 左SH | サムエル・リノ | フラメンゴ | 今季9G7A。縦への突破力が武器 |
| トップ下 | ガブリエル・ボンテンポ | サントス | 初招集の21歳。攻撃的MF |
| 右SH | ハイアン | ボーンマス | 20歳。左利きのウインガー |
| CF | ペドロ | フラメンゴ | 今季ブラジル全国選手権15ゴール |
オーストラリアからインドへの長距離移動を挟む3試合目は、2連戦で見えた手応えをもとに、A・B両チームから選手を組み合わせた編成になる可能性が高い。オーストラリア戦で結果を残した初招集組がAチームの主力と同じピッチに立てば、それは序列が動き始めたサインになる。FIFAランキング138位のインドにとっては史上初のブラジル戦で、コルカタのソルトレイク・スタジアムは大観衆に包まれるはずだ。
Bチームの布陣を自由に組み替える(フォメラボ・インド vs ブラジル)ブラジルにとってW杯ベスト16は「失敗」の二文字で語られる結果だった。アンチェロッティは、その直後の最初の3試合で大胆に顔ぶれを入れ替えた。残した主力で結果を出しつつ、初招集組に居場所を与えられるか。2028年コパ・アメリカ、そして2030年W杯へ向けた新しいセレソンの輪郭が、この秋の3試合で見えてくる。
※予想フォーメーションはフォメラボ編集部の予想。背番号はW杯2026時のもので、新規招集選手は本稿執筆時点(2026年9月14日)で未発表のため空欄。選手の所属・成績は同時点のデータ(欧州は2026-27、ブラジル全国選手権は2026シーズンのリーグ戦)。フォメラボの試合ページでは、オーストラリア戦(9/25・9/29)はAチーム、インド戦はBチームの予想XIを表示している。
ブラジル代表のフォーメーションを自由に組み替える(フォメラボ)