【インド代表】ブラジル戦の予想フォーメーション・スタメン 〜史上初の「王国」戦へ、ハリド・ジャミル監督の4-4-2と招集26人を解説〜

2026-09-26

【インド代表】ブラジル戦の予想フォーメーション・スタメン 〜史上初の「王国」戦へ、ハリド・ジャミル監督の4-4-2と招集26人を解説〜

10月3日、インド代表がコルカタのソルトレイク・スタジアムにブラジル代表を迎える。両国の対戦は史上初めてで、FIFAランキング5位のブラジルは、インドにとってランキング導入以降で最も格上の相手になる。9月25日のパナマ戦(1-1)の先発を軸にしたブラジル戦の予想スタメン、招集26人、ハリド・ジャミル監督の戦い方を解説する。

全インドサッカー連盟(AIFF)が7月30日に発表したブラジル戦は、インドサッカー界にとって歴史的な一戦だ。両国のA代表が対戦するのは史上初めて。FIFAランキング138位のインドにとって、5位のブラジルは1992年のランキング導入以降で最も格上の対戦相手になる。インドはこの秋、9月25日のパナマ戦、10月3日のブラジル戦、10月6日のウルグアイ戦とホームで3連戦を組んだ。9月2日に始まったチケット販売では、安価な席が1時間ほどで売り切れたと報じられている。

日程――ホーム3連戦、ブラジルとウルグアイはコルカタで

インド代表 9・10月の国際親善試合(キックオフは日本時間)

日付対戦相手会場キックオフ/結果
9/25(金)パナマスリー・カンティーラヴァ・スタジアム(ベンガルール)1-1
10/3(土)ブラジルソルトレイク・スタジアム(コルカタ)23:00
10/6(火)ウルグアイソルトレイク・スタジアム(コルカタ)23:00

キックオフは現地19:30(日本時間23:00)。ブラジル戦の時刻はチケット販売ページの表記で、AIFFの正式発表はまだ出ていない。ウルグアイは暫定監督としてディエゴ・フォルランが指揮を執る。フォルランは2016年に、インド・スーパーリーグ(ISL)のムンバイ・シティでプレーした経験を持つ。

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いまのインド代表――アジア杯予選で敗退、チェトリは再び引退

インドは2027年アジアカップ予選で敗退している。2025年10月14日、ホームでシンガポールに1-2で敗れて本大会出場の可能性が消え、最終的にグループ最下位に終わった。翌11月には、一度は代表に復帰していたスニル・チェトリが2度目の代表引退を表明した。チェトリは代表157試合95得点を記録した絶対的エースだった。2026年は3月に香港を2-1で破って予選を白星で締めたが、5月にロンドンで行われたユニティカップはジャマイカとジンバブエに連敗。6月のタジキスタンとの2連戦も1敗1分と、勝ち切れない試合が続いている。

ハリド・ジャミル体制の戦績(2025年8月〜、13試合2勝5分6敗)

日付対戦相手スコア大会
2025/8/29タジキスタン○ 2-1CAFAネーションズカップ
2025/9/1イラン● 0-3CAFAネーションズカップ
2025/9/4アフガニスタン△ 0-0CAFAネーションズカップ
2025/9/8オマーン△ 1-1(PK3-2)CAFAネーションズカップ 3位決定戦
2025/10/9シンガポール△ 1-1アジア杯予選
2025/10/14シンガポール● 1-2アジア杯予選(敗退決定)
2025/11/18バングラデシュ● 0-1アジア杯予選
2026/3/31香港○ 2-1アジア杯予選
2026/5/27ジャマイカ● 0-2ユニティカップ(ロンドン)
2026/5/30ジンバブエ● 0-1ユニティカップ(ロンドン)
2026/6/5タジキスタン● 1-3国際親善試合
2026/6/9タジキスタン△ 1-1国際親善試合
2026/9/25パナマ△ 1-1国際親善試合

日付は現地。PK戦の勝利は引き分けとして数えた。2025年11月の非公式戦(ブータン戦6-1)は含めていない。

ハリド・ジャミル監督――コンパクトな4-4-2とセットプレー

ジャミルは2025年8月に就任した。インド人監督がA代表を率いるのは2012年以来だ。1977年にクウェートで生まれ、現役時代はインド代表で40試合に出場している。監督としては2017年に地方の小クラブ、アイザウルをIリーグ優勝に導いて名を上げ、ノースイースト・ユナイテッドではインド人監督として初めてISLのプレーオフに進出した。代表では守備ブロックを低く保つコンパクトな4-4-2を基本とし、セットプレーとロングスローを武器にする。就任直後のCAFAネーションズカップでは3得点がすべてロングスロー絡みで、3位に入った。相手によっては3バックも使い、タジキスタン戦やユニティカップで試している。

何も恐れてはいない。相手は世界王者になったことのあるチームだ。結果がどうなっても誰も責めない。それは私の責任だ。

ハリド・ジャミル監督(9月13日、Khel Now の報道より翻訳)

パナマ戦の前日会見では「いつも守ってばかりはいられない。攻撃もする」とも語った。ブラジル相手に低いブロックで耐えるだけでなく、カウンターとセットプレーでどこまでゴールに迫れるかが焦点になる。

パナマ戦は1-1――ライアン・ウィリアムズが先制も逃げ切れず

3連戦の初戦は9月25日、ベンガルールでFIFAランキング44位のパナマと戦い、1-1で引き分けた。インドは4-4-2で臨み、前半41分にアカシュ・ミシュラのロングボールからライアン・ウィリアムズが右足で決めて先制。しかし後半開始から出場したオマール・バレンシアに68分に同点ゴールを許した。ジャミル監督は72分にアニルド・タパとサハル・アブドゥル・サマドを投入し、以降も5人を交代させたが、勝ち越し点は奪えなかった。パナマはこの後、日本でキリンカップに出場する。

インド vs パナマ(9/25)のスタメン・フォーメーションを見る

招集メンバー26人――リッキー・メイテイに代わりメフタブ・シン

インド代表 9・10月シリーズ招集メンバー(背番号は9/25 パナマ戦のもの)

番号Pos選手所属
1GKグルプリート・シン・サンドゥ(主将)ベンガルールFC
13GKプラブスカン・シン・ギルイーストベンガル
23GKアルビノ・ゴメスジャムシェドプル
26GKソム・クマールスロヴァン・リュブリャナ(スロベニア)
2DFアビシェク・シン・テクチャムモフン・バガンSG
3DFプラムヴィール・シンノースイースト・ユナイテッド
4DFアンワル・アリイーストベンガル
5DFビジョイ・ヴァルギースパンジャブFC
6DFアカシュ・ミシュラムンバイ・シティ
17DFヴァルプイア(フミンタンマウィア・ラルテ)ムンバイ・シティ
21DFジェイ・グプタイーストベンガル
24DFメフタブ・シン ★モフン・バガンSG
7MFアニルド・タパモフン・バガンSG
8MFアプイア(ラレンマウィア・ラルテ)モフン・バガンSG
12MFモハメド・サナン無所属
15MFリッキー・シャボンパンジャブFC
16MFマカートン・ニクソンノースイースト・ユナイテッド
18MFサハル・アブドゥル・サマドモフン・バガンSG
19MFファルク・チョードリー無所属
22MFアシク・クルニヤンベンガルールFC
9FWマンヴィール・シンモフン・バガンSG
10FWライアン・ウィリアムズベンガルールFC
11FWラヒム・アリオディシャFC
14FWヴィクラム・プラタップ・シンムンバイ・シティ
20FWエドムンド・ラルリンディカイーストベンガル
25FWイルファン・ヤドワドチェンナイインFC

★のメフタブ・シンは、8月31日の発表時点ではメンバー外だったセンターバックだ。発表メンバーのリッキー・メイテイと入れ替わる形で、パナマ戦のメンバー表に名前が載った。AIFFは入れ替えの理由を公表していない。国内組が中心で、海外クラブに所属するのはスロベニア2部のGKソム・クマールだけ。ファルク・チョードリーはチェンナイインを退団し、モハメド・サナンもジャムシェドプルとの契約を終えていて、2人とも新しいクラブが決まっていない。ISLの2026-27シーズンは10月10日に開幕するため、選手たちは公式戦を戦わないまま今回の3連戦を迎える。

ISLは商業権を巡る混乱を経て、7月にAIFFとクラブが4年間の新体制で合意した。ジャムシェドプルはリーグから撤退し、参加権はチャーチル・ブラザーズに移っている。アルビノ・ゴメスの今季の所属先は、確認できた範囲では明らかになっていない。

外れた選手も話題になった。守備の柱だったサンデシュ・ジンガン(FCゴア)、国内の年間最優秀選手に選ばれた経験もあるラリアンズアラ・チャンテ(モフン・バガン)、リストン・コラコらが選外。ジャミル監督は理由を明かしておらず、ジンガンは「残念だが監督の決断を尊重する」とコメントした。チェトリの不在についてジャミルは「本人の決断だ。敬意を払うべきで、スニルはインドのナンバーワンだ」と語っている。

予想スタメン:10/3 ブラジル戦――パナマ戦の11人で4-4-2

パナマ戦から中7日で、ジャミル監督はここまで4-4-2をほぼ固定している。そのため、パナマ戦の先発11人をそのまま予想した。GKは主将グルプリート。最終ラインは左からアカシュ・ミシュラ、アンワル・アリ、ビジョイ・ヴァルギース、アビシェク・テクチャムで、ボランチはリッキー・シャボンとアプイアが組む。サイドハーフは左にアシク・クルニヤン、右にヴィクラム・プラタップ・シン。2トップはマンヴィール・シンとライアン・ウィリアムズだ。

インド代表 予想フォーメーション 10/3ブラジル戦(4-4-2) グルプリート/アカシュ・ミシュラ、アンワル・アリ、ビジョイ・ヴァルギース、テクチャム/アシク・クルニヤン、シャボン、アプイア、ヴィクラム・プラタップ・シン/マンヴィール・シン、ライアン・ウィリアムズ
予想スタメン(10/3 ブラジル戦):4-4-2。背番号は9/25 パナマ戦のもの。

予想スタメン 10/3 ブラジル戦(4-4-2)

Pos選手所属ポイント
GKグルプリート・シン・サンドゥベンガルールFC主将。197cm、代表89試合の守護神
左SBアカシュ・ミシュラムンバイ・シティ左利き。パナマ戦で先制点をアシスト
左CBアンワル・アリイーストベンガルジンガン不在の最終ラインを束ねる
右CBビジョイ・ヴァルギースパンジャブFC184cm。最終ラインの高さを担う
右SBアビシェク・テクチャムモフン・バガンSG21歳の若い右SB
左SHアシク・クルニヤンベンガルールFC左利きのサイドアタッカー
ボランチリッキー・シャボンパンジャブFC23歳。パナマ戦でタパを抑えて先発
ボランチアプイアモフン・バガンSG中盤の潰し役。ボール奪取の要
右SHヴィクラム・プラタップ・シンムンバイ・シティ6月のタジキスタン戦で代表初ゴール
FWマンヴィール・シンモフン・バガンSG187cm。前線でロングボールを収める
FWライアン・ウィリアムズベンガルールFCパナマ戦で先制点。帰化した元豪州代表

変更があるとすれば中盤だ。代表経験の豊富なアニルド・タパ(6月時点で代表59試合)がシャボンに代わって先発する可能性は十分ある。ブラジルの両ウイングを警戒して、メフタブ・シンやジェイ・グプタを加えた5バックに切り替える手もある。先制されて攻撃に出る展開なら、サハル・アブドゥル・サマドやラヒム・アリが切り札になる。

インド vs ブラジルの予想スタメンをフォメラボで組み替える

注目選手――帰化FWライアン・ウィリアムズと主将グルプリート

最注目はライアン・ウィリアムズだ。1993年にオーストラリアのパースで、ボンベイ(現ムンバイ)出身のアングロ・インディアンの母のもとに生まれた。オーストラリアではU-20・U-23代表を経て、2019年の韓国との親善試合でA代表に1試合出場している。2025年11月にオーストラリアの国籍を手放してインド国籍を取得し、FIFAから代表変更の承認を受けた。インド代表デビューとなった3月31日の香港戦では、前半4分にいきなりゴールを決めた。パナマ戦でも先制点を挙げ、ベンガルールFCでは副主将を務める。

GKグルプリート・シン・サンドゥは、チェトリ引退後のチームを主将として引っ張る。欧州でのプレー経験もある197cmの守護神で、パナマ戦で代表89試合目を迎えた。ブラジルの攻撃陣を相手に、彼のセーブがどれだけ出るかが試合を左右する。中盤では、潰し役のアプイアと、後半から流れを変えられるタパが鍵を握る。

ブラジルの予想――主力と新戦力の混成、ヴィニシウスは先発

ブラジルはカルロ・アンチェロッティ監督のもと、W杯後の「新サイクル」を始めたばかりだ。9月25日にタウンズビルでオーストラリアと1-1で引き分け、29日にブリスベンでもう1試合戦ってからインドに乗り込む。9日間で3試合、しかもオーストラリアからインドへの長距離移動を挟むため、豪州戦の先発をそのまま並べるとは考えにくい。一方で、史上初のインド遠征にまったくのBチームを送るとも考えにくい。そこでフォメラボでは、主力と新戦力を混ぜた4-2-3-1を予想した。エースのヴィニシウスは先発で、最終ラインは主将マルキーニョスとガブリエル・マガリャンイスのCBコンビにヴァンデルソン。中盤はアンドレイ・サントスとドウグラス・ルイスが組む。GKは初招集のオタヴィオ、左SBにマウロ・ジュニオール、トップ下にボンテンポ、右には豪州戦で同点ゴールを決めたハイアン、1トップにペドロを置いた。ハフィーニャ、エステヴァン、ブルーノ・ギマランイスはベンチからのスタートと見る。

ブラジル代表 予想フォーメーション 10/3インド戦(4-2-3-1) オタヴィオ/マウロ・ジュニオール、ガブリエル・マガリャンイス、マルキーニョス、ヴァンデルソン/アンドレイ・サントス、ドウグラス・ルイス/ヴィニシウス、ボンテンポ、ハイアン/ペドロ
ブラジルの予想スタメン(10/3 インド戦):4-2-3-1。主力と新戦力の混成。
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会場ソルトレイク・スタジアム――メッシの主将デビューの地

会場のソルトレイク・スタジアム(正式名称ヴィヴェーカーナンダ・ユバ・バーラティ・クリランガン)は、約6万8000人を収容するインド最大級のサッカー場だ。2011年9月にはアルゼンチン対ベネズエラの親善試合が行われ、リオネル・メッシが初めてアルゼンチンの主将を務めた。2017年のU-17W杯では、ブラジル対ドイツの準々決勝に6万6613人が詰めかけ、ブラジルは同じ会場の準決勝でイングランドに1-3で敗れている。コルカタとブラジルの縁は古く、1977年にはペレがニューヨーク・コスモスの一員として来訪し、エデン・ガーデンズでモフン・バガンと2-2で引き分けた。

ソルトレイク・スタジアムの場所をGoogleマップで見る

一方で、今回の招へいには批判もある。元代表主将のバイチュン・ブティアは、報じられた巨額の費用と、日程が重なったFIFAアセアンカップへの不参加を問題視した。多額の投資に見合う試合を見せられるか。インドにとっては、結果以上に内容が問われる90分になる。

インド vs ウルグアイ(10/6)のスタメン・フォーメーションを見る
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