2026-08-09

秋春制に移行したJ1 2026-27シーズンが8月7日に開幕した。第1節に出場した20クラブの「先発11人+ベンチ9人=メンバー20人」の平均身長を全チーム集計してみた。最も大型だったのは鹿島アントラーズの181.15cm、最も小柄だったのは川崎フロンターレの176.15cm。1位と20位の差はわずか5.0cmだが、その内訳を分解すると「先発で高さを出すチーム」と「ベンチに高さを残すチーム」がくっきり分かれた。
2026年8月7日、J1リーグの2026-27シーズンが開幕した。8月に開幕して翌年5月に終わる、いわゆる秋春制での初シーズンである。ここでは開幕節(第1節)に各クラブが提出したメンバー20人――先発11人とベンチ9人――の身長を集計し、チームごとの平均身長を比べてみた。ベンチまで含めるのは、90分を通してピッチに立ちうる選手全員を見たほうが、そのチームが今季どんな身体的特徴で戦おうとしているのかが見えるからだ。
先に全体像を示しておく。J1の20クラブ・計400人の平均身長は178.7cm。首位の鹿島アントラーズが181.15cm、最下位の川崎フロンターレが176.15cmで、その差は5.0cmだった。20人の平均で5cmという差は決して小さくない。単純計算で、20人のうち10人が10cm背が高いのと同じ意味になる。
20人平均181.15cmでトップに立ったのは鹿島アントラーズ。だが中身を開けると、少し意外な構造が見えてくる。先発11人の平均は179.55cmで、これは20クラブ中10位。ちょうど真ん中だ。順位を押し上げたのはベンチ9人の183.11cmで、こちらは2位の千葉(181.78cm)を1.3cm以上引き離す断トツの数字だった。
控えGK山田大樹(192cm)に加え、元砂晏翔仁ウデンバ(192cm)、キム テヒョン(187cm)、徳田誉(186cm)、チャヴリッチ(186cm)と、186cm以上が5人もベンチに並んだ。開幕戦の先発は横浜FM戦のアウェイゲーム。終盤に高さで殴りにいけるカードを丸ごと残しておける構成であり、ベンチの平均身長が先発を3.57cmも上回ったのは20クラブで最大の逆転幅だった。
平均値だけでは、そのチームがどんな「形」で20人を揃えたのかまでは見えてこない。そこで上位2クラブ(1位鹿島・2位町田)と下位2クラブ(19位柏・20位川崎F)について、20人を5cm刻みのバンドに振り分けてみた。
同じ上位でも、鹿島と町田は正反対の形をしている。鹿島は169cm以下がゼロ。20クラブでこの欄が空いているのは鹿島だけだ。175cm以上に17人が集中し、185cm以上が7人、うち190cm台が2人。突出した大型選手がいるわけではなく、「小さい選手がいない」ことで平均が押し上がっている。
対する町田は、両端がはっきり立っている。190cm台の4人(テテ イェンギ197cm、望月ヘンリー海輝192cm、守田達弥191cm、谷晃生190cm)は20クラブ最多で、その一方で169cm以下も2人。最長身197cmと最低身166cm(相馬勇紀)の差は31cmあり、これも20クラブで最大の振れ幅だ。それでいて先発平均180.18cm・ベンチ平均180.22cmと、どちらを切り取ってもほぼ同じ数字になる。極端な選手を上下に散らしたうえで、先発とベンチにきれいに配分している。
下位の2クラブも中身は別物だ。川崎フロンターレは169cm以下が6人と最多で、190cm台はゼロ。185cm以上の3人(ブローダーセン、ペドロ ホマーノ、山口瑠伊)を除くと、残り17人のうち12人が180cm未満に収まる。対する柏レイソルは169cm以下が2人にとどまる代わりに、170〜174cmのバンドに6人が集まり、そこから上に伸びない。川崎が「両極」なら柏は「中央寄り」で、平均値が0.65cmしか違わなくても20人の並びはまったく別物になる。
同じ20クラブを「先発11人の平均」だけで並べ直すと、ランキングはまったく別の顔になる。1位はアビスパ福岡の180.91cm。20人平均では6位だったチームが最上位に立った。三國ケネディエブス(193cm)、永石拓海(191cm)、ウェリック ポポ(190cm)と190cm台を3人先発させた効果である。2位はファジアーノ岡山(180.82cm)、3位はFC東京(180.82cm)、4位は名古屋グランパス(180.73cm)と続き、いずれも20人平均では9〜11位に沈んでいたクラブだ。
逆に大きく順位を落としたのが千葉(4位→14位)、鹿島(1位→10位)、京都(8位→15位)。この3クラブはいずれもベンチ側に高さを寄せている。とくに千葉は、200cmのホシャと192cmの鈴木椋大をどちらもベンチに置いた結果、先発平均178.64cm・ベンチ平均181.78cmという構成になった。
| チーム | 20人平均 | 先発11人 | ベンチ9人 | 先発−ベンチ |
|---|---|---|---|---|
| 鹿島アントラーズ | 181.15 | 179.55 | 183.11 | −3.57 |
| FC町田ゼルビア | 180.20 | 180.18 | 180.22 | −0.04 |
| サンフレッチェ広島 | 180.05 | 180.55 | 179.44 | +1.10 |
| ジェフユナイテッド千葉 | 180.05 | 178.64 | 181.78 | −3.14 |
| ヴィッセル神戸 | 179.50 | 180.27 | 178.56 | +1.72 |
| アビスパ福岡 | 179.45 | 180.91 | 177.67 | +3.24 |
| V・ファーレン長崎 | 179.45 | 179.00 | 180.00 | −1.00 |
| 京都サンガF.C. | 179.40 | 178.36 | 180.67 | −2.30 |
| ファジアーノ岡山 | 179.40 | 180.82 | 177.67 | +3.15 |
| FC東京 | 178.65 | 180.82 | 176.00 | +4.82 |
| 名古屋グランパス | 178.55 | 180.73 | 175.89 | +4.84 |
| 水戸ホーリーホック | 178.35 | 176.36 | 180.78 | −4.41 |
| 東京ヴェルディ | 178.30 | 176.36 | 180.67 | −4.30 |
| 清水エスパルス | 178.05 | 179.73 | 176.00 | +3.73 |
| 横浜F・マリノス | 177.95 | 180.18 | 175.22 | +4.96 |
| ガンバ大阪 | 177.90 | 179.18 | 176.33 | +2.85 |
| セレッソ大阪 | 177.40 | 179.36 | 175.00 | +4.36 |
| 浦和レッズ | 177.30 | 177.27 | 177.33 | −0.06 |
| 柏レイソル | 176.80 | 177.91 | 175.44 | +2.46 |
| 川崎フロンターレ | 176.15 | 174.91 | 177.67 | −2.76 |
この表で目を引くのが、先発とベンチの差が最も大きい横浜F・マリノス(+4.96cm)だ。先発11人は180.18cmで全体8位、なかでも最終ラインは角田涼太朗185cm・諏訪間幸成186cm・ジェイソン キニョーネス185cm・井上太聖184cmと、DF4人の平均185.0cmは20クラブで最も高い。一方でベンチ9人は175.22cmと19位。喜田拓也(170cm)、木村卓斗(170cm)、オナイウ情滋(168cm)といった機動力型が並び、交代でギアを変える設計になっている。
逆方向に振れているのが水戸ホーリーホックと東京ヴェルディで、いずれも先発平均176.36cm(19位タイ)に対しベンチは180cm台。水戸は松原修平185cm・家泉怜依185cm・河面旺成184cm・根本凌184cmと、ベンチだけで184cm以上が4人という編成だった。
400人をポジション別に均すと、GKが187.8cm、DFが180.6cm、FWが179.5cm、MFが173.9cm。GKとMFの差は約14cmある。190cm以上は全体で29人だが、その内訳はGK15人・FW9人・DF5人で、MFは1人もいない。逆に170cm未満の40人はMFが24人と過半数を占め、FW10人、DF6人と続く。中盤は小柄、ゴール前は大きいという、いかにも現代サッカーらしい分布になっている。
| ポジション | 人数 | 平均身長 | 190cm以上 | 170cm未満 |
|---|---|---|---|---|
| GK | 40 | 187.8 | 15 | 0 |
| DF | 126 | 180.6 | 5 | 6 |
| MF | 142 | 173.9 | 0 | 24 |
| FW | 92 | 179.5 | 9 | 10 |
| 全体 | 400 | 178.7 | 29 | 40 |
システム別の傾向も見ておこう。第1節は3バック採用が10クラブ、4バック採用が10クラブときれいに割れた。3バック勢の20人平均は179.0cm、4バック勢は178.4cm。先発11人に限れば179.4cm対178.7cmで、いずれも3バックのほうがわずかに大きい。ただし差は1cm未満にすぎない。3バックのなかにも19位の柏レイソル(176.80cm)がいれば、4バックにも1位の鹿島アントラーズ(181.15cm)がいる――システムそのものより、各クラブが誰を並べたかのほうがはるかに効いている。
個人に目を移すと、J1第1節のメンバー400人で唯一200cmに到達したのが千葉のFWホシャ。2位は長崎のGK波多野豪と名古屋のGKピサノ アレックス幸冬堀尾(ともに198cm)で、フィールドプレーヤーの最長身は町田のFWテテ イェンギ(197cm)だった。
| 選手 | 身長 | Pos | クラブ | 第1節 |
|---|---|---|---|---|
| ホシャ | 200cm | FW | 千葉 | 控え |
| 波多野 豪 | 198cm | GK | 長崎 | 控え |
| ピサノ アレックス幸冬堀尾 | 198cm | GK | 名古屋 | 先発 |
| テテ イェンギ | 197cm | FW | 町田 | 先発 |
| オ セフン | 194cm | FW | 清水 | 先発 |
| 荒木 琉偉 | 194cm | GK | G大阪 | 先発 |
| 三國 ケネディエブス | 193cm | DF | 福岡 | 先発 |
| 佐古 真礼 | 193cm | DF | 東京V | 控え |
| 山田 大樹 | 192cm | GK | 鹿島 | 控え |
| 元砂 晏翔仁 ウデンバ | 192cm | DF | 鹿島 | 控え |
一方の最低身は161cm。FC東京のFW仲川輝人と川崎フロンターレのMF紺野和也の2人が並んだ。165cm未満は400人中わずか7人で、そのうち紺野和也(川崎F)、仙波大志(水戸)、山下諒也(G大阪)の3人が第1節に先発している。小柄でも計算されて使われている選手は確実にいる。
| 選手 | 身長 | Pos | クラブ | 第1節 |
|---|---|---|---|---|
| 仲川 輝人 | 161cm | FW | FC東京 | 控え |
| 紺野 和也 | 161cm | MF | 川崎F | 先発 |
| 早川 隼平 | 163cm | MF | 浦和 | 控え |
| 弓場 堅真 | 163cm | MF | 柏 | 控え |
| 本間 至恩 | 164cm | MF | FC東京 | 控え |
| 仙波 大志 | 164cm | MF | 水戸 | 先発 |
| 山下 諒也 | 164cm | FW | G大阪 | 先発 |
| 鳥海 芳樹 | 165cm | MF | 水戸 | 先発 |
| 岡澤 昂星 | 165cm | MF | C大阪 | 先発 |
| 山原 怜音 | 165cm | DF | 川崎F | 先発 |
20人平均176.15cmで最下位となった川崎フロンターレは、先発11人の平均174.91cmが唯一の174cm台。GKブローダーセン(188cm)とCBペドロ ホマーノ(189cm)で背後は固めつつ、その前は山原怜音165cm・紺野和也161cm・伊藤達哉167cm・橘田健人169cm・山本悠樹173cm・脇坂泰斗173cmと、170cm前後の選手がずらりと並ぶ。MF登録7人の平均170.1cmは20クラブで最も低い数字(2位はG大阪の172.0cm)で、高さを捨てて足元と機動力に振り切った構成だ。J1の平均像が「GKとゴール前は大きく、中盤は小さい」だとすれば、川崎はその傾向を最も極端に押し進めたチームということになる。
もう一つ触れておきたいのが18位の浦和レッズ。20人の最長身がダニーロ ボザ・福井光輝・根本健太の184cmで、185cm以上が一人もいない唯一のクラブだった。同時に先発平均177.27cm・ベンチ平均177.33cmと差はわずか0.06cmで、20人がほぼ均質。高さの起伏をつくらない代わりに、誰が出ても構造が変わらない編成とも言える。同じく起伏の小さい町田(先発180.18cm・ベンチ180.22cm、差0.04cm)が上から2番目、浦和が下から3番目という対比も面白い。
もっとも、身長は勝敗を決める要素のひとつにすぎない。セットプレーの得点・失点、クロスへの対応、逆にビルドアップでの機動性――このランキングが実際にどう効いてくるのかは、38節を通して答え合わせしていくことになる。各クラブ名をタップすれば、開幕節のフォーメーションをそのまま呼び出し、選手を入れ替えて自由に組み替えられる。
J1リーグ 全20クラブのフォーメーション・スタメンを見る※集計対象は2026-27シーズン第1節(2026年8月7〜9日)に各クラブが提出したメンバー20人(先発11人+ベンチ9人)、計400人。身長は単純平均で、小数第3位を四捨五入。同値の場合の並び順は順不同。データはフォメラボ調べ。